ばね指と同じく指の腱鞘炎で、スマートフォンや携帯電話を長時間にわたって使用することで、小指に負荷がかかり痛みやしびれが起こる症状を「テキストサム損傷」と呼ぶことがあります。
小指が強く痛んだり、小指の第一関節と第二関節の間がへこみ、変形してしまうといった症状が多く見られる腱鞘炎です。

スマートフォンを片手で持ち、ひっかけるようにして小指で支えたり、長時間ずっとそのままの状態を続けることで小指に負担をかけ過ぎることが原因といわれています。
このテキストサム損傷という言葉は、欧米で生まれた俗語で、スマートフォンやゲーム機で親指(英語でサムと読みます)を酷使する人が多くいた状況から生まれた名称です。
正式には「テキストサム損傷」という病名があるわけではなく、腱鞘炎の一種です。
日本では「スマホ指」と呼ぶこともあります。
親指の腱鞘炎は別の病名がついています
親指側に炎症が起こる場合は、「ドゲルバン病」という症状名がついています。
ドゥケルバン病、ドケルバン病と表記することもあり、ド・ケルバン腱鞘炎、ド・ケルバン症候群、狭窄性腱鞘炎も同義の症状名です。
こちらもスマートフォンや親指の使い過ぎで発症することが多いです。
特に妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じるので、親指の炎症が気になる方は整形外科に受診してください。
当院での対応は?
テキストサム損傷・スマホ指・ドゲルバン病は、指の使い過ぎにより発症することが多いので、セルフケアとしては、まずは休ませる・湿布や消炎鎮痛剤の使用で炎症を抑えるなど、ばね指と同じようなケアがおすすめです。
予防策では、スマートフォンの持ち方を変える。
適度にスマートフォンを使い、以前スマホ首でも説明したようにスマートフォンの画面を目線に近づけるなど指や手首の負担を減らすことも大事です。
当院では痛みのない範囲で手のマッサージを行います。
手のひらや指の関節が固くなっているところを優しくほぐしていきます。
テキストサム損傷・スマホ指・ドゲルバン病は、指だけでなく腱や腱鞘にかかる負担を和らげるために、肘や上腕の筋肉をストレッチさせたり筋膜のリリースをさせたりすることも重要です。
そして筋肉の柔軟性が出てきたら指のストレッチをおこないます。

