過去にブログ投稿した記事の中で画像リンクが切れてしまったり、画像データーがホームページ引越の際に無くなってしまったりしたものを、最近は修正して再度公開しています。

このブログもその一つです。

人はストレスから痛みを感じることもある

人はストレスを感じると闘争逃走反応(闘うか逃げるか)を本能的に惹起します。
そして下記のような症状を引き起こします。

◎全身の筋肉を緊張させる
ストレスは筋肉を緊張させ闘争逃走反応に対応できるようにします。
ですがこの緊張が、肩こりや腰痛、首の痛みなどの原因になることがあります。

◎自律神経が乱れる
ストレスは交感神経優位にさせるため、結果自律神経のバランスを崩します。
消化器系の不調、動悸、息切れ、めまいなどを引き起こすことがあります。

◎心理的な要因に過剰反応する
ストレスは、不安や怒りや悲しみなどの感情を引き起こし、それが痛みを増強したり痛みに敏感になったりすることがあります。

慢性痛のかたは、この心理的な要因で痛みが増減することが多いです。
私の腰痛もこれに該当していました。

◎痛みの悪循環がおこりやすい
ストレスによる痛みは、痛みを我慢したり、痛みに過度に意識を向けることで、さらに痛みを強く感じてしまう悪循環を生むことがあります。

これには脳内モルヒネが関与します。

脳内モルヒネとは

自分の身に危険が迫った時やストレスを感じたとき、副腎髄質からアドレナリンというホルモンが大量に放出されます。

アドレナリンはストレス反応に関与するホルモンです。
心拍数や血圧の上昇、血糖値の上昇、呼吸促進、筋肉への血液供給増加などの作用があり、身体を活発な状態にします。これは闘争逃走反応に備えるためです。

アドレナリンを分泌されても、何も対処ができない、つまり発散できないと今度は脳にストレスが溜まります。

脳はそのストレスを麻痺させるためにエンドルフィンを分泌します。

よくジョギングやウォーキングをしているうちに、とても気分がよくなって心の中に明るいことばかりが発想されて、まったく疲れを感じなくなって、このままどこまでも行けそうな気分になったことがありますか?

これはスポーツ医学で《ランナーズ・ハイ》と呼ばれる現象ですが、脳の中でエンドルフィンが出ているので多幸感をもたらしているのです。

ストレスによる痛みでも、じつは同じ現象が出ます。
これは苦痛を脳が和らげるためだと考えられています。

エンドルフィンの構造は、麻薬のモルヒネと似ていることから【脳内モルヒネ】と呼ばれています。

エンドルフィンは、ガン患者が鎮痛薬として使用している「モルヒネ」の約6.5倍の作用があるとも言われています。

慢性痛の痛みがストレスなのか確認する


ストレスが原因で痛みが起こっているかどうかセルフチェックする方法があります。

◎痛みが何処で起きるのか

ストレスが原因で痛みになる場合は、ストレス元から距離をおくために発症していることがよくあります。

学校に行きたくないから急にお腹が痛くなったりする
苦手な人が近くに来ると違和感が出る

などです。
この場合はストレス元がないと、痛みがなかったりあっても軽く感じます。

◎ストレスの心当たりを自分で探る

どんなときに痛みが強くなり、どんなときに痛みが楽になるのかを振り返って気にしてみる。

痛み自体は、身体の危険を知らせるセンサーです。
なので痛みが100%感じなくなることはありません。

ですが慢性痛のかたは、痛みをストレス回避に使うことがよくあります。
さらに複雑なのは、常に痛みがある状態を脳が日常ととらえることです。

脳は現状維持が大好きな器官です。
慢性痛のかたは、無意識に痛みを誘発する行為をとることがあります。

わざと痛いように動かしてみる、痛みをなんども確認するなどです。
これは痛みを確認することでストレスを強め、脳内でストレス誘発鎮痛を行っているのです。

慢性痛をお持ちの方は、ストレスが痛みの原因なのか是非セルフチェックして見てください。

自分では分からないときは、当院がお役に立てることもあります。お気軽にご相談ください。

投稿者 oldmusashino