体性感覚とは
『体性感覚』とは生理学の用語で皮膚感覚・深部感覚を指す言葉です。
施術のときに私達整体師が気にするのは、筋肉の盛り上がり・硬さ・温度など筋肉の異常を指で感じることです。
人間の手は、「運動器官」「感覚器官」として優れています。
とくに指の体性感覚については脳皮質の大きな面積が、下記のイラストのように情報処理領域として割り当てられています。
脳の運動野と感覚野の広い範囲が指からの情報です。
なので人間にとって指からの情報は大変重要なデーターということです。
施術の話に戻ると、コリ・こわばりが筋肉にあると皮膚の硬さや温度が違って私は感じます。
皮膚温度は実際に測っている訳ではありませんけれども、周辺の皮膚と比べて少し冷たく感じるという指先の感覚があります。
血行不良をおこした部位にツボがあったりします
これについてはお世話になった鍼灸師の先生が「指で触っていると皮膚の状態がザラザラした感覚や冷たい感覚の部位があれば、その辺りに皮膚毛細血管の血行不良があり近くにツボが見つかる」と教えてくれました。
ツボ(経穴)と血行不良の関係は、東洋医学において深く結びついています。
実際にツボの部位を刺激すると血流を良くすることができます、身体は不思議です。
あなたも体性感覚を鍛えられます
毎日自分の身体を触って見てください。
そのときに指に触れた皮膚が硬い・柔らかい感触や痛い・くすぐったい感じなどを少し意識してみてください。
続けているうちに、段々と辛い場所を触ったときに違いが実感できるようになります。
『こんなところが凝っているの?』とか『ここを触ると痛気持ち良い』などがよく分かります。
少し慣れてくると、触った部分を指先で少し押してみてください。
痛みが違う場所にひびく箇所が見つかります。
これが『関連痛』とか『トリガーポイント』といわれる場所だったりします。
もし正確なトリガーポイントであれば、ひびく箇所を押すと初めに押した箇所の痛みが消えます。
例えば、首の痛みは肩甲骨の下側・わき寄りの筋肉にトリガーポイントがあります。
ここを触ってマッサージすると首のこわばりが緩んできます。
同様に首の付け根(鎖骨に近い側)にある筋肉が疲労すると、腕・親指・人差し指に痛みが出ます。
事務作業の多い方はここを触ると痛く感じます。
鎖骨の骨、首に近い側をマッサージすると上記の場所が緩みます。
肩こりさんはお試し下さい。
このように手の体性感覚は、私達にとってはとても重要になります。
私は指先の訓練の1つ、自分の髪の毛を紙に挟んで上からなぞり髪の毛の厚みを感じるトレーニングを以前おこなっていました。
1枚2枚と紙を重ねて何枚目まで厚みの違いが分かるか確認します。
皆さんも興味があれば行ってみてください。そしてこのトレーニングのあと自分の身体を触って見てください。
これはオステオパシー医学(現代医学より自然治癒力を重視した医学)を学んだ人が行なっている訓練法です。
以前とは違う指の感覚に気がつくかも知れませんよ?