鵞足(がそく)とは、太ももの内側から膝の内側に付着する3本の筋肉の総称で、ガチョウの足のような形をしているので鵞足と呼ばれています。

この部分の筋肉や滑液包が炎症を起こすことで、歩行時、階段の上り下り、走った時などに、膝の内側に痛みを生じます。
炎症期間が長くなるほど、良くなるまでに長期間必要になるので、早期に適切な処置をすることが、痛みの軽減や回復を早めるには大切です。
この症状は足の筋力低下と歩き方の癖なども発症要因になります。
当院では下肢の筋力低下の方が多いです。
当院の患者さんで○○でこの部位の痛みを起こした方がいました
「先生、最近膝の内側が痛くなってきたんだけど大丈夫かな?」
という定期来院の60歳台男性Aさん。
痛みの場所はちょうど鵞足でしたので、私も鵞足炎なのかと疑いました。
でも腫れもなく圧迫すると軽く痛みを感じる程度です。
過去の既往歴もないので、最近の出来事について問診しました。
とくに膝周りに負担のかかる運動やスポーツを最近していないかなどを訊いてみました。
すると最近ジムで筋トレをはじめたとのことで、とくに足周りの筋トレを重点的にしているとのことです。
レッグプレスやインナーサイ・アウターサイなどの股関節や臀部・ハムストを鍛えるマシンを重点的に使っているとのこと、そう言われて痛みのある部位の股関節内側、太ももの内側鼠径部の筋肉が張った感じがあります。

下肢の筋肉に無理がかかり鵞足炎のような痛みが出ているように私は推察しました。
そこでAさんに、マシンの重量を少し軽くして、ゆっくり負荷をかけて筋肉を刺激することをすすめました。
その後、膝内側の痛みは無くなってきたそうです。
この場合の鵞足炎のような痛みは筋トレで発症したことになります。
何事も無理は禁物ですね。
鵞足炎は足の筋力低下と歩き方の癖なども発症要因になる例の一つです。
参考になればうれしいです。