本日始めて来院された患者さんもそうでしたが、「カイロプラクティック=骨をバキバキ・ゴリゴリ鳴らす」と思われている方が多いですね。
この文章は以前ブログ投稿していたものに加筆しました。
この矯正音について不安に感じる方もいますのであらためて説明します。
バキバキ・ゴリゴリ音は、正確には「クラッキング・クラック音」といいます
じつは骨と骨が擦れる音ではなく、骨と骨を引っ張る(牽引)する際に関節潤滑液に溶け込んでいるガスの気化現象の音です。
このことは1947年にイギリスの解剖学者が実験研究して論文に発表しました。
専門的にカイロプラクティックを学んだ方なら、授業で教わったと思います。
このガスの気化現象は、“キャビテーション(減圧気化現象)”といい、シャンパンの栓を抜いたときの「ポン」という音と同じ現象です。
よく指を鳴らすかたがいますが、あの音も指の関節でのキャビテーションです。
関節内の圧力の変化による音は骨に振動して聞こえます(骨伝導)ので、ほとんど音は本人以外聞こえない場合もあります。
私もそうでしたが、このクラック音=骨が整う・正常に成ると思ってやたらと鳴らすことに執着した時期がありました。
現在では必要が無い場合や患者さんが苦手な場合は、ほかの手技方法で対応しています。
では、このクラック音が、どう治療効果に結びつくかというと、
一つはキャビテーションによって、関節内の容積が増加して癒着している組織をはがしやすくする効果があること、癒着は骨の変位(可動制限)の原因の一つです。
もう一つは、脊柱にある感覚神経受容体を強力に刺激して脳に信号を伝達させる。
この刺激は痛みではなく神経を興奮させ痛みを沈静化させる効果がある。
これにより一時的にスッキリした感覚や可動域が広がるように感じます。
日常生活でも、クラッキング・クラック音はしています
たとえばでんぐり返しや背中を伸ばすときに、背骨が鳴ることがありますよね?
これも同じ理由です。